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2024年9月17日 (火)

月を見る心【研究室から】

中秋の名月が冴えています。

「月見ればちぢにものこそかなしけれ」は百人一首でおなじみの歌。

月をみると、どなたも「ちぢに」思われるのではないでしょうか。

もちろん「かなし」ばかりではなく、楽しいことも懐かしいことも。

さて、いつもの食い意地です。

なじみの和菓子屋へ出かけましたら、月見の菓子がいろいろ。

桃山生地の焼き菓子を求めましたので、御覧にいれます。Photo器は高麗末李朝初期の堆花文青磁小皿です。

(やや地味ですが、なかなかの稀品)

お茶を一服、秋風に吹かれ月を眺めて

「恋しさは同じ心にあらずともこよひの月を君見ざらめや」

などと言ってみたくなりませんか。

「水のおもに照る月なみをかぞふればこよひぞ秋のもなかなりける」

拾遺集の歌を引用してみて「ああ、最中にすれば」と気付いた次第。

ちなみに皿の上のお菓子は「満月焼」の名前が付いていました。

少々野暮だと思います。

鶴見大学文学部日本文学科研究室