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2024年2月10日 (土)

甘党【研究室から】

2月9日は、夏目漱石の誕生日です。

慶応3年(1867)正月5日の生まれですが、新暦に直せば2月9日。

文章のうまさ、と言うより、思索を広く深く展開する文章の力に感心します。

漱石は、ジャムをなめたり砂糖豆をかじったりの甘党でした。

なかでも羊羹、それも青磁の器に盛ったものを絶賛しています。

(どの小説かはお調べ願います)

では、ご覧ください。Photo高麗青磁、立菊白黒象嵌の皿です。13世紀の作と判断します。

(羊羹は13世紀ではありません)

北海道の和菓子屋さんが作りました。

材料に小豆を使わないところ、ちょいと変わった味です。

さて漱石小説の魅力の一つは、女性像でしょう。

たとえば『彼岸過迄』の千代子。

(小間使いの作もなかなかうまく書かれています)

「男は卑怯だから、さう云ふ下らない挨拶が出来るんです」

これは名台詞、どう思われますか。

つい「研究者は卑怯だから、そう言うくだらない理屈をこねるのです」

などと言ってみたくなり・・・

泉鏡花や芥川龍之介、また室生犀星の甘い物好きについては、いずれ。

鶴見大学文学部日本文学科研究室