時には蟹の横歩き【研究室から】
へそを曲げて、変わったことをするのではありません。
(力におもねるよりはいいと思いますが)
昔、アルファベット(で綴られたもの)を、蟹行文字と呼びました。
日本文学を山ほど読んだら、気分転換に外国語もどうぞ、と言うことです。
英語も少しは出来たほうがよい、と思われるのはまことに結構。
でも、日本文学科の学生(もしくは教員)だからと言って、
日本文学の英訳や日本文化紹介の英文に飛びつくのはいかがなものか。
それは筋の悪いことのように、担当者には思えます。
結局、期待したほどの成果は上がらないでしょう。
平易明晰で質のよい英語の書物がお薦めです。
先日、こんな表現に出会いました。
・・・It was a purpul wine, so cool that the cup into which
it was poured became covered with vapory dew・・・
冷えた葡萄酒を注ぐと、器が水滴で覆われるところです。
担当者は下戸ながら、うまい、と思います。
さて、誰の作品でしょう。
丁寧に皮革で装幀し直したものが出典。
日本にも縁の深い小説家が、1887年に出版しました。
背文字がありませんので、お調べください。
手前の時計は、ほぼその頃の古強者。
勿論、いつもの小道具です。
次は、日本文学会のお知らせ。
鶴見大学文学部日本文学科研究室