日本文学科で「書道」の教員免許状取得をめざすのが「書道履修生」です。(中学・高校「国語」に加えて高校「書道」を取得するために学びます。)4年生の実技授業で臨書作品制作を経験し、その成果として3月の卒業式の頃に開催する「卒展」に出品します。日本文学・日本語学の卒論を12月に提出した後、1月末までに半切(はんせつ)程度の漢字作品とかなの小品を仕上げ、鶴見大学会館1階のセンタープラザを会場にささやかな展示を行います。

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昨年度までの出品者は、以下のような古典・古筆を選んで書きました。

平成20年春の卒展 第42期 6名
 3月14日(金)~3月16日(日)
【漢字】「(呉大澂)論語」「温泉銘」「風信帖」「庾信詩」「十七帖」「金文」【かな】「寸松庵色紙」「伊予切本和漢朗詠集」「継色紙」「近衛本和漢朗詠集」

平成19年春の卒展 第41期 4名
 3月23日(金)~3月25日(日)
【漢字】「真草千字文」「十七帖」「送裴将軍詩」【かな】「粘葉本和漢朗詠集」「関戸本古今和歌集」「元永本古今和歌集」「寸松庵色紙」

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平成18年春の卒展 第40期 8名
 3月24日(金)~3月26日(日)
【漢字】「前赤壁賦」「曹全碑」「庾信詩」「多宝塔碑」「祭姪文稿」「乙瑛碑」「衛軍帖」「史晨碑」【かな】「深窓秘抄」「継色紙」「自家集切」「伊予切本和漢朗詠集」「高野切第一種」「升色紙」「寸松庵色紙」「曼殊院本古今和歌集」

平成17年春の卒展 第39期 7名
 3月25日(金)~3月27日(日)
【漢字】「曹全碑」「風信帖」「草書千字文」「温泉銘」「書譜」「集字聖教序」「真草千字文」「金文」【かな】「桂本万葉集」「曼殊院本古今和歌集」「高野切第一種」「近衛本和漢朗詠集」「関戸本古今和歌集」「藍紙本万葉集」「高野切第三種」

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平成16年春の卒展 第38期 6名
 3月25日(木)~3月28日(日)
【かな】「元永本古今和歌集」「石山切伊勢集」「高野切第二種」「伊予切本和漢朗詠集」「関戸本古今和歌集」「寸松庵色紙」

鶴見大学文学部 日本文学科

昔の人が墨をすり筆を執って書いた文字は、静かにそこにあるようですが、生きていた人が残したものです。私たちが点画の形をよく見て、同じように時間をかけて筆でしばらくたどり、筆運びの遅速、抑揚(押さえたり、うかせたり)などをまねしていると、昔の人のかわりに書いているような感じがしてきます。はじめのうちは、うまく書けないところが気になるばかりだったのに、いつかそれを忘れています。古典はすばらしいものだと人に言われてながめているだけでは味わえないことです。まずは時間をかけて古典とつきあってみてください。書き込むほどに線が鍛えられます。よいものを見きわめる力がつき、昔の人が書いた詩歌、文章を少しずつ読むことができるようにもなってゆきます。

鶴見大学の書道の授業は、芸術作品を書き上げるために、または展覧会での入選・受賞を目標に練習するのではありません。日本の古典文学を学ぶ上での教養のひとつとして書法の基礎を学びます。漢字文化圏に共通する、あるいは日本独自の文化のいとなみを繰り返し経験し、いくらかの知識を得ます。小さなことであっても、できないこと、わからないことを自分で解決するのは快いものです。日頃から清書の自己批正を習慣づけておいて、もし教える機会が得られたときには、生徒の前で書いて見せ、的確なアドバイスができるようになってください。

【受験生のみなさんへ】
●鶴見大学では、文学部日本文学科で高校「書道」の教員免許状を取得することができます。「教育実習」を含む必要単位を修得すると、中学「国語」、高校「国語」「書道」の免許が揃います。
●入試科目に書道実技はありません。高校で書道を選択しなかった学生も授業を受けています。
●日本文学・日本語学を専門に学んで卒論を書き、あわせて4年生まで書道の授業を受けた学生が「卒業制作展(卒展)」に出品します。
●書道実技の授業には以下があります。ほかに、書道科教育法、書道史、古筆鑑賞などの授業があります。
書道I(漢字 楷書・行書)  書道II(仮名 基本・高野切第三種)  書道III(漢字 隷書・草書)  書道IV(仮名 古筆)  書道V・VI(卒業制作・卒展)
●実技ではテキストのほか、新しい筆、書きよい紙、墨と硯などの用具が必要ですが、特別に高価な用具をすすめることはありません。卒展の表装も簡素にしております。
※「書道」の教員免許状を取得できる大学の一覧は、文部科学省HPに掲載されています。

鶴見大学文学部 日本文学科