歯科技工研修科講師主任 水野行博先生が退職される
水野先生は、本年3月末日をもちまして選択定年制の手続きをとり、ご退職されました。
先生は、昭和46年4月に鶴見女子大学歯学部(歯科補綴学第一講座)助手としてご就任され、歯科技工研修科の設立や歯学部学生の教育に、故尾花甚一先生の元でご尽力されました。その後、細井紀雄先生、福島俊士先生、大久保力廣先生の元で、現在の研修科を築いてこられました。
歯科技工研修科が昨年設立40周年を迎えたことは、まだ皆さんの記憶の中に残っていることと思います。研修生3名から始まった研修科も、今日では基礎課程、上級課程合わせて20名に膨らみ、技工室全体を活気づけております。この間、研修科は有床義歯技工専攻と冠橋義歯技工専攻の二分化、上級課程の新設、Tiの技工、インプラントの技工など、時世の流れに合わせて変化し対応してきました。また、技工管理にパソコンの導入、デジカメやパソコンによるプレゼン等、研修科は大学の中でも、いち早くこれらの機器を導入し、教育・臨床・研究に活用してきました。今思うに、大きなパラダイムシフトの中で、道を踏み外さずに歩いてきたと思います。これらはみな、水野先生の鋭い洞察力と牽引力によるものでした。現在の鶴見大学歯学部附属病院では、多くの先生方から歯科技工士の業務や立場を尊重していただき、コ・デンタルスタッフとして歯科医師と一緒に仕事ができる職場になっています。これこそ、水野先生が40年かけて築き上げてきた大きな実績です。
これからは、先生の志を継ぎ、私たちが研修科を牽引して行く番です。驕ることなく、歯科技工士の育成のために、患者さんのために、歯科医療を支えるために、皆の力を結集させ、これから先10年後、20年後、振り返った時に『道を踏み外さずに1歩先を歩んでいた』と言えるような研修科を創ってゆきたいと思っています。長い間、ご指導ありがとうございました。先生のご健康・ご活躍をお祈りいたします。