文化財スタディ・ツアー(12) 伝説とロマンの島、隱岐へ 3日目
11月4日(金)~6日(日)は、文化財スタディ・ツアーの開催日でした。
12回目の今回は、「伝説とロマンの島、隱岐へ」。
10月29日(土)に事前講義を行い、現地を先生の解説を聞きながら歩く人気講座です。
講師は関幸彦先生(日本大学教授)です。
今回は、最終日3日目の様子をお送りします。
6/6(日)曇り 第三日目
最終日は参加者、関先生の願いが叶い曇りとなる。
最終日の行程は、観光バスで島後(隠岐の島町:隠岐の島で一番大きな島)隠岐国分寺=
水若酢神社=白鳥展望台=浄土ヶ浦海岸=昼食=佐々木家=玉若酢命神社=
フェリーで七類港、米子鬼太郎空港から羽田空港
最初の見学地「隠岐国分寺」に向かう。
「隠岐国分寺」本堂(昭和に再建され2007年2月焼失)の後方に
棚囲いの建物があったことを示す礎石郡 隠岐国分寺境内(国史跡)」がある。
元弘の変で隠岐に配流となった後醍醐天皇の行在所跡と云われている。
写真(1):隠岐国分寺の山門に向かう。
写真(2):隠岐国分寺の境内。奥に行在所跡が見える。
写真(3):参道横の南門跡・中門跡の礎石などを説明する。
写真(4)(5):後醍醐天皇御在所阯・隠岐国分寺境内
写真(6):後醍醐天皇後尊像を祀る王城鎮守社
写真(7):資料館で「隠岐国分寺」の由来などを説明する。
資料館は、国の重要無形民俗文化財「隠岐国分寺蓮華会舞(れんげえまい)」の
資料展示や公演会場となっている。
写真(8):焼失した本堂の「本堂再建の地」発掘調査(調査中)場所
(昭和に再建された本堂は、2007.2.25本堂から出火し全焼。
国の重要無形民俗文化財の古典芸能「蓮華会舞(れんげえまい)」に使われる
面9枚(平安―桃山時代)も焼失した。)
写真(9):御住職より本堂焼失、発掘調査のお話を聞く。
創建当時の瓦や柱に巻かれた飾り瓦などが出土し奈良時代の物と思われる。
まだ調査中で今後の調査が楽しみである。
次に、水若酢神社(本殿は1795年の再興された物)、
古墳、隠岐島の民俗資料や伝統文化伝承施設を見学する。
写真(2):水若酢神社の由来や、本殿(国指定)を説明する。
写真(3)(4):本殿を見ながら、隠岐地方の特色である「隠岐造り」について説明する。
写真(5):今日挙式があるとのこと、固めの杯が見える。
写真(6):水若酢神社古墳群のひとつを見学。横穴式石室で石棺二基が見つかる。
写真(7)(8):隠岐郷土館(明治18年隠岐四郡役所として建造。
明治100年記念事業で現在の地に移築)で
近代魚法以前の魚撈や生活用具と「竹島」の資料などを見学する。
写真(9)(10):「五箇創生館」で隠岐古典相撲や牛突きの映像を見る。
(9)の土俵は鏡餅の様に三重土俵。
(10)牛突きの牛(横綱牛の剥製)
(相撲の勝者に土俵脇の四本柱が与えられ、
相撲は神事として地域の代表として取られる。最高位は大関である。
牛突きは隠岐が最も歴史が古く盛んであるそうで、
人間の相撲にはない横綱も牛にはある。
掛かる経費は自前で主婦は大変とのこと・・・。)
神社を後にし、次の白鳥展望台に向かう。
バスを降りて、展望台まで散策。
日本海の先は朝鮮半島。快晴でも見えないそうです。
次に向かうのは、浄土ヶ浦海岸
晴れていると岩礁群と透き通った海との対比は独特の世界を演出するそうです。
残念です。
みんな海岸に降りて一時の休憩を取る。
昼食時間まで、少し時間が空いたので島で数少ない海水浴場「春日の浜」と、
目の前の春日神社による。
昼食は、海藻ご飯と海の幸を楽しむ。食事処降りるとこんな景色が広がる。
休憩の後、午後の行程に入る。
先ず「佐々木家住宅」に向かう。
佐々木家住宅は隠岐最古の木造住宅で、
母屋は杉皮葺きの石置き屋根が特徴。(国有形文化財)
土間に入ると生活用具があり、囲炉裏の火で少し煙たい。
管理人からカミノマなどの各部屋の説明を頂く。
屋根に約800個の石をのせているとのこと、頑丈な柱が支えている。
最後の見学地「玉若酢命神社」に向かう。
「玉若酢命神社」は、隠岐開拓の祖神といわれる若酢命を祀り、
本殿は国重要文化財である。
先ず神社の社家「億岐家住宅(国重文)」で宝物館には、
隠岐国駅鈴や光格天皇から贈った唐櫃・隠岐倉印(いずれも国重文)」などが展示。
「駅鈴」は二個あり、
日本で唯一現存する物で往復はがき(昭和51年~56年に発行)で使用された。
「億岐家住宅」脇の鳥居を通り「玉若酢命神社」に向かう。
写真(1):億岐家住宅
写真(2):「玉若酢命神社」大鳥居
写真(3):樹齢1000年とも2000年とも云われる八百杉(国指定天然記念物)が出迎える。
写真(4):拝殿
写真(5)(6):本殿造りの解説をする関先生。
神社右の丘陵には、14基の古墳群(県史跡)があり
前方後円墳(全長32m)に向かい跡地で説明を受ける。
今回のツアーは、現地の移動は船とバスの乗降り、天気も色々でしたが何とか無事終了。
一路七類港に向け隠岐の島を後にする。
2時間半船旅となる。
当初海が荒れる予報でしたが参加の皆様、先生のお蔭で穏やかな船旅となりました。
有り難うございました。
七類港から米子鬼太郎空港へバスで移動。
米子鬼太郎空港で一応解散し、羽田空港へ
以上、全行程終了です。