授業紹介「古筆鑑賞」

「古筆」とは古い筆蹟・古人の筆蹟という意味です。また古筆で書かれたモノ(書物など)自体をも指す言葉です。

「古筆鑑賞」という授業では、毎回たくさんの古写本や古筆切(こひつぎれ、古写本のきれっぱしのことです)を紹介しながら、古筆の美術品としての価値と、文学研究資料としての価値とを解説しています。

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このように、カラー画像をスクリーンに映しながら進めています。ちなみにこれは、豪華絢爛な装飾写本の最高峰、国宝平家納経の見返し絵について説明しているところです。

そのほか、古筆切の実物を回覧することもあります。

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本年度、前期は主に、古筆・古筆切について、仮名の成立と発達について、装飾料紙について、といった話題を中心に進めてきました。後期は、古筆の分割について、鑑定の歴史について、古筆切を活用した散佚文献の復元について、といった、やや専門的な内容としていく予定です。

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このスクリーンに映っているのも平家納経の見返し絵。ちょっと見づらいかもしれませんが、引目鉤鼻の貴族女性が右手に剣(!)を持っています。十羅刹女のひとり黒歯の姿を描いている、とされるものですが、それにしてもこの絵の姿、現代の我々にとっては、なかなか強烈なインパクトではないでしょうか?

(久保木記)