担当 松本文子(書道・書教育) 

27年ほど前のことですが、昭和57年に『書法』という高等学校の教科書が新しく刊行され、その中に神龍半印本「蘭亭序」の全文28行が載りました。行書の教材としてひとつの古典を重視する、それまでにない扱い方でした。先日、教科書図書館に出かけて、その後の各教科書での載せ方の変遷を表にしてみました。この古典の全文が現行すべての教科書に載っていることからも、かつて『書法』に示された選択の妥当性がわかります。昨夏、海を越えて来た原本(北京故宮博物院蔵)を見るために、江戸東京博物館へ足を運んだ方もあることでしょう。

神龍半印本「蘭亭序」の学び方を、筆路の判断と自己批正を例にお話しし、新刊の参考書を紹介しました。書道が好きな高校生のみなさんが、何かしらのヒントを得てくだされば幸いです。

鶴見大学文学部 日本文学科

歌舞伎入門

2009/09/04

平成21年8月21日(金) オープンキャンパス ミニ講義

担当 佐藤かつら(近世文学・歌舞伎) 

冷夏と言われる今年には珍しく、夏らしい、暑い日でした。「歌舞伎」とは何なのか、ということを、今回は「京鹿子娘道成寺」という舞踊劇を題材として、お話しました。歌舞伎ははじめてという多くの方に、まず、「観る」ことで楽しんでもらい、華やかな舞台展開を説明し、最後に踊り手の女性が蛇と化すということをお話しました。そして「道成寺」という物語が日本文学の中で語り継がれてきたことを紹介し、歌舞伎の舞台とその背景について考えました。短い時間でしたが、熱心に聞いていただき、ありがとうございました。高校生のみなさんが、歌舞伎および日本文学にさらに興味を持つきっかけになればとても幸いです。

鶴見大学文学部 日本文学科

平成21年7月26日(日) オープンキャンパス 模擬授業

担当 高田信敬(中古文学・源氏物語) 

暑い日でした。こんな日に入試問題のお話をすると、ますます暑苦しくなりそう、などと思わないでください。入試問題も実は楽しいものです。本学日本文学科のは、特に。今回は、単なる入試解説ではなく、問題の作り手の側からの、裏話も織り交ぜての古典文学入門としました。「鹿の巻筆」と言う江戸時代の笑い話集を題材とし、巧妙な筋立てや、オチへの伏線などを講義しました。古いお笑いなので、どうかな、と思いましたが、みなさんの反応はとてもよかったです。
続いて、近代文学のミニ講義。今年は太宰治生誕100年ですので、太宰の短編を取り上げました。明るく軽快な、そして少し皮肉のきいた「禁酒の心」です。会話のうまさ・文章の運びのよさを味わっていただくのがねらいのひとつです。掛詞のような技巧があらわれるところに興味を持たれた方もいらっしゃいました。ふだん近代文学を教えることはあまりありませんので、いい経験でした。

次のオープンキャンパスは8月21日(金)です。

鶴見大学文学部 日本文学科

和歌ってなに

2009/06/25

和歌ってなに

平成21年6月21日(日) オープンキャンパス ミニ講義1 於記念館第三講堂

担当 中川博夫(中世文学・和歌文学) 

あいにくの雨でしたが、50名の生徒さん、22名の保護者の方にご出席いただきました。

現在の私達が使っている言葉、日本語の大きな要素の内のヤマト言葉の詩である「和歌」の特徴を、具体的に俵万智さんの短歌や古今集の賀歌を例にしてお話ししました。みなさんとても熱心に耳を傾けてくださっただけでなく、積極的に発言や挙手をしてくださり、時間をオーバーしてしまうほどでした。

鶴見大学文学部 日本文学科

和歌の調べ方

2009/06/25

和歌の調べ方

平成21年6月21日(日) オープンキャンパス ミニ講義2

担当 高田信敬(中古文学・源氏物語)、中川博夫(中世文学・和歌文学) 

あいにくの空模様、教室に集まってくださったみなさんは、とても熱心でした。ふたつめの模擬授業は、未紹介の古筆切を材料に、コンピュータを使った講義です。現在とは異なる文字の形や言葉の書き方、和歌の個性を捉える検索の方法などをお話しました。授業後、勅撰集の作者表記に関わる鋭い質問が出たのは驚き!

次のオープンキャンパスは7月26日(日)です。7・8月は学食体験もあります。

鶴見大学文学部 日本文学科

平成21年5月24日(日) オープンキャンパス ミニ講義2

担当 高田信敬(中古文学・源氏物語)、中川博夫(中世文学・和歌文学) 

源氏物語全体は、どのくらいの量があるのでしょう。勿論54帖ですが、古い本であればあるほど全部そろっているのは珍しく、ただ1帖のみ伝わっている例も少なくありません。なかにはたった1枚の断片(古筆切と言います)しか残っていない源氏物語もあるのです。その1枚からなにがわかるのか、700年ほど前、鎌倉時代後期に写された切を使い、コンピュータを活用して調べてみました。「本邦初公開」の新資料をご紹介できたことは、研究者として大きな喜びです。最後まで熱心に聴いてくださったみなさんに感謝します。

次のオープンキャンパスは6月21日(日)です。

鶴見大学文学部 日本文学科

平成21年5月24日(日) オープンキャンパス ミニ講義1

担当 松本文子(書道・書教育)

鶴見大学図書館にある古い写本、『伊勢物語』の59段を教材にして、変体がなを確かめ、必要なところに濁点を加えて一緒に読みました。「わぶ」「いたし」「おもて」などの語意に気をつけて訳し、この段の味わいを考えました。息絶えた男が顔に水をかけられ、「彦星が天の川を渡る櫂(かい)のしずくかしら」と息を吹き返します。『万葉集』にある類歌を知っていたのが想像されます。当日配ったプリント以外にも、鶴見大学図書館国立国会図書館やいろいろな大学図書館のHPに『伊勢物語』の古い本の画像が載っています。高校の授業で学んだ部分をみつけて読んでみましょう。

鶴見大学文学部 日本文学科

平成21年3月21日(土) 春の学校見学フェア 

担当 片山倫太郎(近代文学・川端康成)

芥川龍之介『羅生門川端康成『雪国太宰治『人間失格』の3作品の冒頭部分を取り上げました。みなさんはどのように小説作品を読みますか。小説のおもしろさは、ストーリーだけでなく、表現の工夫にもあります。とくに作品の冒頭は、小説家が苦心して工夫する部分です。『羅生門』の冒頭にはなぜ「蟋蟀」が登場するのでしょう。『雪国』の冒頭を映像にしようとしたとき、あなたはどこにカメラを据えますか。『人間失格』の主人公は自分を「道化」であると言っています。「道化」とは嘘つきかもしれません。「嘘つきのパラドックス」でしょうか……。小説の仕掛けをいろいろとお話ししました。

鶴見大学文学部 日本文学科

昔話の不思議

2009/03/23

平成21年3月21日(土)  春の学校見学フェア

担当 新沢典子(上代・万葉集)

「昔話の不思議」と題したミニ講義です。幼い頃より馴れ親しんでいる昔話ですが、考えてみると、理解しにくい点も少なくありません。なぜ桃太郎は川の上流から流れてくるのか、なぜ浦島太郎は急に年をとるのか、等々。授業では、古事記に描かれた神話を読み解きつつ、昔話に出てくる不思議な現象の意味について解説しました。おとなしく熱心に聞いて下さってありがとうございました。今後も、身近な話題を交えつつ、上代文学の世界をご紹介していく予定です。興味のある方は、オープンキャンパスの日程をチェックの上、どうぞ足をお運び下さい。

鶴見大学文学部 日本文学科