花を待つ【事務局だより】
今年は桜が早いとか。
『桜品』の時代から、品種の多いことはよく知られておりました。
明治の資料に「御衣桜」が出てきます。
花は淡緑、とありますので、現在「御衣香」と言われるものでしょう。
ここで秀抜な花見の絵、これも明治の資料です。
山の古社寺に詣で、桜をめでる風情が描かれます。
藍色の傘・桜の薄紅・和服の文様・朱の柱の対比は、冴えた造形感覚。
絵師の名前を柱に書き込む趣向もなかなかのものです。
水野年方(1866~1908)の作、『三十六佳撰』から採りました。
新年度の源氏物語講座、第1回は5月です。
ゆっくり花を楽しまれ、葉桜の頃会場へお越しください。
紫式部学会事務局