時雨【事務局だより】
旧暦ですと、10月(神無月)が時雨の季節です。
佐佐木信綱博士の随筆を読んでおりましたら、おもしろい話続出。
父弘綱翁の代わりに歌の指導に出かけ、時雨を土産に貰ったとか、
上京して、穂積家の珍しい乳母車を見たとか。
(穂積家は、岩佐美代子先生のご実家)
土産の時雨は、浅蜊を生姜と醤油で煮込んだものです。
時雨蛤ではなく、佐佐木博士は浅蜊と書かれています。
もう一つ、季節の和菓子。
店主は、苔の上に降る時雨と言っていますが、どう思われますか。
取り合わせは高麗青磁の皿です。蓮弁が丁寧に型押しされています。
さて、来週土曜は「源氏物語の小さな講座」。
準備に追われるはずの担当理事は、学生と将棋を指していました。
忙中閑と申しますか、ふてぶてしいと申しますか。
ともあれ寒くなりました。十二分のご自愛を。
紫式部学会事務局