第60回貴重書ミニ展示
「古典籍を写す・模す」
「古活字版『寛永行幸記』3種」を
開催しています
2015年12月16日(水)~24日(木)26日(土)
図書館1階エントランス
(鶴見大学文学部ドキュメンテーション学科主催)
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文学部ドキュメンテーション学科
「古写本演習」「古版本演習」
両科目における実地演習の
現時点までの成果発表となる展示です
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受講学生さんが、展示作業と
解説を担当しました
ぜひご覧ください
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展示資料
1 古今和歌集 上帖(~巻十) 鎌倉時代末~南北朝期写 伝津守国冬筆 列帖装1帖
2 古今和歌集 室町時代写 伝兼好筆 列帖装1帖
3 詠歌大概 天正元年(1537)写 里村紹巴筆 列帖装1帖
4 伊勢物語 室町時代後期写 列帖装1帖
5 住吉物語 江戸時代前~中期写 列帖装1帖
6 源氏物語 桐壺 室町時代(享禄2年以前)写 列帖装1帖
7 時代不同歌合絵巻 江戸時代以降写 巻子本2軸
8 伊勢新名所繪哥合 上下 江戸時代以降写 巻子本2軸
9A〔寛永行幸記〕存上巻 〔寛永〕刊 古活字版第2種ロ本 巻子本1軸
9B〔寛永行幸記〕存上巻(首欠)〔寛永〕刊 古活字版第2種イ本 巻子本1軸(※)
9C〔寛永行幸記〕存中巻 〔寛永〕刊 古活字版別種本 巻子装1軸
※ドキュメンテーション学科所蔵
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ごあいさつ
本学文学部ドキュメンテーション学科には、「古写本演習」「古版本演習」という、3年生以上の専門選択科目があります。
これは本学図書館が全国に誇る、和漢洋のさまざまな時代、さまざまな種類の、貴重にして学術的価値の極めて高い古典籍のうち、特に日本の古写本・古版本の実物を、受講生が自らの手で取り扱いながら、書誌調査の方法を実践的に学ぶ、という授業です。
この授業をきっかけに、卒業論文に取り組むという学生さんも、決して少なくありません。
ちなみに、学部生のうちから、このような貴重な古典籍そのものを教材にできる、という大学は、ちょっとほかにはないはずです。
本学科をはじめとする学生の皆さんは、こうした点、どの大学よりも恵まれた環境にいるということを、ぜひとも強く、深く、認識し、関心を持ってもらえればと思います。
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さて、今回は展示の形で、本年度開講中の、両科目における実地演習の、現時点までの成果をお示ししたい、と思います。
両科目は別々の開講ですので、調査・展示対象とする古典籍も自ずと性格が異なってきます。
よってタイトルも別個に2つ付けることにしましたが、ともあれ解題の執筆、展示ケース内のキャプションの執筆、展示箇所の指定、展示作業など、多く受講生が行いました。
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ただ、両科目は現在も進行中であり、受講生自身も初学者で、基礎から学んでいる真っ最中です。
そのため、各自担当の古典籍に対する理解に誤認があったり、解題の内容に不備不足があったり、また文章にぎこちなさがあったり、しているかもしれません。
実際、担当教員からしても、それはちょっと違うかな?と思われる点が、それなりにあります。
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しかし今回は敢えて、よほどの事実誤認でもない限り、教員の判断で加筆修正したり、させたりすることは、極力控えることにしました。
内容に関しても、文章に関しても、です。
署名入りで、自分(達)自身で調べ、考えたことを、不特定多数の方々に知ってもらい、場合によっては批判される、意見をもらう、ということをぜひ体験し、かつ、その体験するところの意味を、展示側の学生さんにも、観覧側の学生さんにも、考えてもらう契機のひとつにでもなれば、と願っています。
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文学部ドキュメンテーション学科
伊倉史人・久保木秀夫
(hh)