2018年12月の「児童サービス論」では、理科読に続き、黒木秀子先生による「読書へのアニマシオン」を体験しました。
「読書へのアニマシオン」は、スペイン発祥の読解力育成のメソッドです。個人個人の読みの力の育成を目指しながら、集団で本を読むという方法を取ります。
今回は、イタリアの作家、ディーノ・ブッツァーティの「古森のひみつ」(岩波少年文庫)を前もって読んでくるという「予読」ありの活動を体験しました。
登場人物の名前をあげながら、物語の世界を思い出していきます。
このあとは登場人物に分かれてのグループディスカッション(筆者も活動に参加してしまったので画像がありません…)
ファンタジーとも現実ともつかぬ深い物語世界が、登場人物とテーマに関するディスカッションに大きな刺激やたくさんの示唆を与えてくれたようです。学生たちもとても深く物語を読んできていて、「登場人物は男性ばかり」「いや、卵を産みつけるヒメバチがいた」と鋭い発見が返ってきました。
黒木先生は、同じ作家の作品や、同じ作品の別の翻訳家による版など、関連の本も紹介してくださいました。
わかりやすい起承転結ではなく、何かもやもやとした割り切れなさが残るヨーロッパの文学作品、当日はフランス文学が専門の加川文学部長も参加し、ヨーロッパの文学やブッツァーティの解説をいただきました。
英語英米文学科では英語多読の実践を積み重ねていますが、今年度から学内研究費により、本学科も参加して日本語多読の試みを始めました。「作戦」と呼ばれる様々な方法で読む力を培う「読書へのアニマシオン」と、集中して読書することでいわば読書の体力作りを行う「多読」の試み。鶴見大学文学部では、地道な「読む」ことへの取り組みを始めたところです。
(文責: 図書館学コース 河西由美子)